虫の知らせ。

住宅街の中、我が家の小さな庭に珍しい来客。

もう一週間はお泊りになっている。

幼い頃、川辺でみかけたときから、神様トンボと呼んでいた。

お盆が近づくと、どこからともなくやってきて

気が付くといなくなっている姿から、

ご先祖さまがやってきた知らせだと

親からそう教わった気がする。

時折、漆黒の羽を優雅にひらひらとひらめかせて

日陰でゆっくりと休んでいる姿はとても神秘的で

細い胴体はエメラルドに輝いている。

不思議なことに、2匹のつがいで、仲良くしていたかと思うと、

翌日には3匹、そして4匹に。

今日も、草葉の陰から見守るように。

蝉が絞り出すように鳴き始めた朝

いよいよ夏を迎える。