春を待たずに

時の流れを静かに感じているかのように
そおっと花を開いて

 

あたりに漂う存在の残り香

 

一歩一歩と足音が響いてくる

春を過ぎてしまうのに

あまりにも早いスピードにはなりたくないと

今更ながらに抵抗している

 

穏やかな光の中に包まれて

きっと あのひとは幸せだった

雛祭りの桃の花

 

雨がしとしと夜を濡らす