日焼けのあと。

 

夏生まれの赤ん坊を羨ましく思う夏。

私には一昨日出来た

ひりひりとした背中の日焼けが嬉しい。

 

やっとむかった海。

今年は福井の美方、

船の音がすぐそばに聞こえる

小さな港町。

 

すぐ向こうに浮かぶ

三角のこんもりした島に

漁船で渡してもらう。

何もない岩場は、

私たちには

わくわくするような

遊び場で、

飛び込んだ水中に

張り詰める緊張感も心地よく

魚に貝に

出会うたびにはしゃいでいた。

 

誰もいない島では

ただ大声で叫んでみたり

桟橋に寝転がって船を待ったり

夏の暑さも嬉しくなった。

 

短い夏を

無我夢中で

 

泳ぎ疲れてぐったりと

死んだように眠ったっけ。