雨宿りの稲妻

雨に、しっとりと落ち着く。
好きになりつつある。

あめつちの生な感じ、身をそぐような心地よさ。

ため息をつけば、もうおしまい。

後戻りは出来ないよ。
恋のように。

 

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一切は過ぎてゆきます。
誰も私をとどめることなど、出来ないのです。
それがほんとうなのです。

きらっと光った遠くの稲妻と、豪雨に足止めをくらい、

民家の軒先で雨宿り。流れの速くなった白川を見つめていました。
暗がりの中、目を凝らしてみれば、光る川面に身をゆだねるようで

いよいよ強くなる雨脚とはうらはらに、どこか気持ち良ささえありました。
先月見た蛍はどこへ行ってしまったんでしょう。

もう少しこのまま…

ぼんやりと明るく白んだ向こうの灯りを眺めて

私は夢中になったようでした。