秋の眠り

刻々かわる

  色をかえる

 

季節を巡るのと同じこと

毎年同じものを

愛でることに

 飽きないのはなぜだろう

 

たくさんの場所で

色んな人と眺めた紅葉は

今年はいっそういとおしく

突然現れた赤にはっとしたりする

 

日々の変化は12月に向かって

来るべき来年の早春をも目指す

 

その視線の先にまた

色を変え

深めた自分を想像するのだ

 

日々は美しく、共に過ごす人々の表情もまた。

 

 秋の深まりに誰かを重ね、

自分もそうなるのだと身をゆだねる

 

  静かな秋の気配は

その匂いを感じ、

  いっそう感覚は研ぎ澄まされる

 

きっとまた来る春に向かって

  生まれ変わるために

静かに土に眠る。